「最近、大切なことは忘備録(ぼうびろく)に書き記しています」
「それって備忘録(びぼうろく)の間違いでは?」
「ずっと、忘備録(ぼうびろく)だと思って使ってたけど違うの??」
このような記憶違いは、実は結構ありふれているんですよ。
正しい表現は「備忘録(びぼうろく)」です。
この記事では「備忘録(びぼうろく)」と「忘備録(ぼうびろく)」のどちらが正しく、どうして間違えやすいのかを詳しくご紹介します。
これを読めば、あなたの疑問も解消されるでしょう!
ぜひ最後までご覧ください。
「備忘録」と「忘備録」、正しいのはどちら?
「備忘録」と「忘備録」、正しい表現は「備忘録(びぼうろく)」です。
辞書で調べると一目瞭然です。
「忘備録」は辞書に載っていません。
「備忘録」の意味は、「忘れないようにメモしておくこと」です。
インターネットの辞書ではどうなっている?
ネット上の辞書で調べてみると、興味深いことがわかりました。
三省堂のウェブ辞書では「備忘録」のみが掲載されているのに対し、goo辞書では驚くことに「備忘録」と「忘備録」が両方とも見つかりました。
しかし、「忘備録」の項目には「備忘録」と同じ意味が記されています。
「忘備録」が掲載されているということは、この言葉を使う人もいることを示していますが、正しい用語は「備忘録」だと言えるでしょう。
「忘備録」と間違える理由とは
多くの人が「備忘録」ではなく「忘備録」と検索してしまう背景には何があるのでしょうか?
ここではその理由を簡単に説明します。
まず、日本語における正しい表現は「備忘録」です。
日本語の熟語には、以下の六つの基本的な構造があります。
- 主述構造(主語+述語)
- 補足構造(動詞+目的語)
- 修飾構造(修飾語+名詞)
- 認定構造(助動詞+動詞)
- 類義語の並列構造(意味が似た言葉の組み合わせ)
- 対義語の並列構造(意味が反対の言葉の組み合わせ)
この中で「備忘録」は「補足構造」に分類されます。
これは「動詞+目的語」の組み合わせを指します。
例を挙げると「登山」は「登る(動詞)+山(目的語)」、また「降雨」は「降る(動詞)+雨(目的語)」のようになります。
「備忘録」の場合、「備忘」という言葉は「備える(動詞)+忘れること(目的語)」、つまり「忘れることに備える」という意味になります。
しかし、直感的に「忘れることに備える記録」と考えると、「忘備録」と解釈することも自然です。
その結果、多くの人が「忘備録」と間違えて覚えるのではないかとされています。
さらに、この熟語は「主述構造」にも当てはまるため、違和感がなく誤解しやすくなります。
また、他人が使用しているのを聞く際、形や音、意味が似ているため、視覚や聴覚からも間違えやすくなるのです。
まとめ
この記事では、よくある混同「備忘録」と「忘備録」について正しい表現を解説しました。
正しいのは「備忘録」です。
「備忘」という言葉は、動詞と目的語が結びついた補足構造の熟語です。
「忘備」と形や音、意味が似ているため、見聞きすると混乱しやすいです。
意外と多くの人が長い間、誤った表現を使い続けています。
自分が長年使ってきた言葉が間違っていたと気付くと、驚きますよね。
このことを家族に話したところ「え、忘備録じゃないの?」とびっくりしていました。
皆さんも、間違いをしないように注意してくださいね。